この記事でわかること
- 全国2,000人調査から見る、物価高による家計負担と副業への関心
- 副業収入・ネット販売・Amazon販売の数字を、分母の違いも含めて正しく読む方法
- ネット販売を始める前に、収入期待ではなく採算と継続条件を確かめる実践手順
物価高をきっかけに、「副業を始めたほうがよいのではないか」「ネット販売なら収入の柱になるのではないか」と考える人は少なくありません。2026年9月30日に実施した全国15歳以上2,000人への調査では、73.0%が家計負担の増加を感じ、25.4%が副業に興味を持ち検討していると回答しました。
ただし、副業への関心、販売経験、実際の利益は同じ意味ではありません。本記事では調査結果をもとに、物価高と副業の実態を整理し、ネット販売を検討する際の判断材料を解説します。Amazon販売に関する基礎的な調査・運営の選択肢は、セラースプライトの機能一覧もあわせて確認できます。
採算を考える段階では、販売価格だけで結論を出さず、仕入れ・手数料・送料などを条件として整理することが出発点です。条件の確認には、FBA利益計算機のような計算ツールを補助的に使う方法があります。ツールの試算値は判断材料であり、実際の費用や利益を保証するものではありません。

物価高と家計負担:73.0%が負担増を実感
本調査では、ここ1〜2年の物価上昇による家計への影響を尋ねました。「かなり増した」35.4%、「やや増した」37.6%で、合計73.0%が家計負担の増加を感じています。一方で、「ほとんど変わらない」は15.3%、「負担は減った」は1.9%でした(Q1、全回答者2,000人)。

| 家計負担の変化 | 割合 | 人数 |
|---|---|---|
| かなり増した | 35.4% | 708人 |
| やや増した | 37.6% | 751人 |
| ほとんど変わらない | 15.3% | 305人 |
| 負担は減った | 1.9% | 37人 |
| わからない | 10.0% | 199人 |
この数字が示すのは、回答者の多くが生活コストの上昇を体感しているということです。支出額が一律に増えたことや、すべての世帯で同じ負担が生じたことを意味するわけではありません。家計を誰が管理しているか、世帯構成や収入状況といった条件は設問だけでは分かりません。
削減対象は食品・外食・衣料品が上位
過去1年で何らかの支出を減らした人は68.4%でした(Q2、複数回答)。見直しの対象として多かったのは、食品30.8%、外食30.1%、衣料品25.6%、旅行・レジャー23.2%、趣味・娯楽20.0%です。
読み方のポイント:「食品を減らした30.8%」は、食品支出が30.8%減ったという意味ではありません。回答者のうち、その項目を削減した人の割合です。複数回答のため、項目別割合を合計しても100%にはなりません。
節約は、日々の生活に近い支出から余暇まで幅広く及んでいます。物価高と副業を結び付けて考えるときも、「支出を減らす選択」と「収入を増やす選択」は、同じ人が必ず同時に取る行動ではないことを押さえる必要があります。
副業の実施・検討と月収をどう読むか
副業の状況を尋ねたQ3では、「現在している」が13.2%、「過去にしていた」が6.7%、「興味があり、検討している」が25.4%でした。現在実施している人と、検討段階の人を混同しないことが、実態を正確に捉える第一歩です。
| 副業の状況 | 割合 | 人数 |
|---|---|---|
| 現在している | 13.2% | 264人 |
| 過去にしていた | 6.7% | 134人 |
| 興味があり、検討している | 25.4% | 507人 |
| 興味はない・したことがない | 54.8% | 1,095人 |

現在・過去の副業経験者と検討者を合わせた905人に物価上昇の影響を尋ねたところ、62.0%が「大きなきっかけになった」または「ある程度影響した」と回答しました(Q4)。これは副業に関わる人の中での割合であり、全回答者の62.0%ではありません。
現在の副業実施者では、月5万円未満が67.0%
現在副業をしている264人に月平均の副業収入を尋ねたQ5では、1万円未満が25.8%、1万円以上3万円未満が21.6%、3万円以上5万円未満が19.7%でした。月5万円未満は合計67.0%です。
収入の数字をそのまま利益と考えない:この設問は、仕入れ・送料・販売手数料・広告費などを差し引いた後の利益かどうかを確認していません。活動内容や作業時間も人により異なるため、これから始める人の収入予測には使えません。
副収入の経験としては、ポイ活・アンケートモニターが41.8%で最多でした。株式・投資信託などへの投資16.9%、フリマアプリ・オークションで不用品を売る11.8%が続き、Amazonや楽天などのECサイトに出品して販売した経験は4.1%です(Q6、複数回答)。「副業」という言葉の中には、必要な資金・作業時間・リスクが異なる活動が含まれます。
ネット販売・Amazon販売への意識:関心と経験を分けて見る
商品を販売した経験がある399人に販売先を尋ねたQ7では、メルカリ49.6%、Yahoo!オークション・Yahoo!フリマ34.8%、楽天ラクマ19.3%が上位でした。Amazonは11.3%、自分のネットショップも11.3%です。
ここでの11.3%は、全回答者2,000人ではなく、商品販売に関する活動を選んだ399人を分母とする割合です。また複数回答のため、各サービスの現在の利用率や売上シェアを表すものではありません。
Amazonで継続的に販売している人は3.9%
全回答者2,000人を対象としたQ8では、「現在、継続的に販売している」は3.9%でした。「過去に販売していたが、今はしていない」は3.3%、「アカウントを作ったが、販売はしていない」は3.2%、「近いうちに販売を始めることを検討している」も3.2%です。
「興味はあるが、具体的な予定はない」は17.5%、「興味はない」は69.1%でした。興味を持つこと、アカウントを作ること、継続的に販売することには、それぞれ越えるべき準備と条件があります。これらをまとめて販売者と数えると、実際の販売状況を大きく見積もってしまいます。
ネット販売への態度は、中立が最も多い
副業としてネットで商品を販売することへの態度では、「とても前向き」5.4%と「やや前向き」11.0%を合わせて16.4%でした。一方、否定的な回答は24.2%で、「どちらともいえない」が38.8%と最も多くなっています(Q10)。
実務的な解釈:ネット販売に前向きな人だけを見て市場性を判断するのは早計です。反対に、否定的な回答が前向きな回答を上回るからといって、全体がネット販売を拒んでいるともいえません。必要な費用、手間、商品知識が見えない段階では、中立・保留の回答が増えやすいからです。
販売経験との関係を見ると、ネット販売に前向きな人の割合は、副業に興味がない人で5%、現在副業をしている人で41%、商品販売経験者で45%、現在または過去にAmazonで販売した経験がある人で71%でした。これは経験と態度の関連を示す結果ですが、経験が前向きさを生んだのか、もともと前向きな人が始めたのかは、この調査だけでは判断できません。
商品候補の需要や競合状況を確認したいときは、販売判断の前段で商品リサーチの考え方を参照すると、感覚だけで候補を決めにくくなります。データは候補比較の材料であり、仕入れ可否や法規制、販売許可を自動的に判断するものではありません。
ネット販売を始める前に確認したいこと
物価高による負担感があるからといって、すぐにAmazon販売やネット販売が最適な選択になるとは限りません。まずは「いくら必要か」ではなく、どの条件なら継続できるかを具体化することが重要です。
1. 収入目標を、月額と作業時間に分ける
月に補いたい金額を考える際は、売上ではなく、費用を差し引いた後に残したい金額を仮置きします。そのうえで、商品探し、出品、梱包、発送、問い合わせ対応に使える時間を洗い出します。不用品を一度売る場合と、仕入れて継続販売する場合では、必要な時間も資金も大きく異なります。
2. 販売価格ではなく、1件ごとの採算を確認する
ネット販売で見落としやすいのは、販売価格以外のコストです。仕入れ、販売手数料、送料・梱包費、保管費、返品・値引き、必要に応じた広告費を分けて考えます。売れた金額と手元に残る金額は同じではありません。
- 商品:仕入れ値、状態、販売の継続性を説明できるか
- 費用:手数料・送料・梱包費を見落としていないか
- 時間:発送や購入者対応まで含めて無理なく続けられるか
- ルール:販売先の規約、必要な許認可、知的財産権などを確認したか
- 検証:一つの仮定だけでなく、価格や送料が変わった場合も見たか

採算は、まず一つの商品から条件を整理する
販売価格、仕入れ、送料、手数料などの前提を置くと、期待だけでは見えにくい確認事項が整理しやすくなります。FBAを利用する場合の費用構造を確認する入口として、FBA利益計算機のガイドを参照できます。入力条件や実際の販売条件によって結果は変わるため、試算を利益の確定値として扱わないことが大切です。
FBA利益計算機を確認する3. 「売れるか」と「続けられるか」を別に判断する
需要がありそうな商品でも、調達が安定しない、送料が重い、返品対応の負担が大きいといった理由で続けにくいことがあります。反対に、単発の不用品販売は、在庫を仕入れるネット販売とは異なる判断が必要です。販売方法ごとの負担を分けて考えることが、無理なスタートを避ける近道です。
配送費が採算に与える影響を確認するときは、FBA送料計算機のガイドも参照できます。ここでも、実際に発生する金額は商品サイズ、配送条件、販売時点の規約などを確認して判断してください。
調査結果を読む際の前提
本記事の調査は、2026年9月30日に全国の15歳以上2,000人(男性1,000人、女性1,000人)を対象に、Freeasyを利用して実施されました。年齢・性別による割付で集計された自己申告データです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | 物価高と副収入に関する調査 |
| 調査実施日 | 2026年9月30日 |
| 対象 | 日本全国の15歳以上 |
| 回答者数 | 2,000人 |
| 調査サービス | Freeasy |
| 設問数 | 10問(設問ごとに対象者が異なる) |
Q1・Q2・Q3・Q6・Q8・Q9・Q10は全回答者が対象ですが、Q4は副業の現在・過去の経験者および検討者905人、Q5は現在副業をしている264人、Q7は商品販売に関する活動を選んだ399人が対象です。数字を比較するときは、まず「誰に聞いた割合か」を確認してください。
本調査は一時点の回答を集計したものです。物価高と副業、販売経験とネット販売への態度に関連が見られても、原因と結果の向きや、時間を通じた変化までは確定できません。また、日本全体や就業者全体にそのまま当てはめるものではありません。
まとめ
今回の物価高と副業に関する調査では、回答者の73.0%が家計負担の増加を感じ、68.4%が何らかの支出を減らしていました。副業を現在している人は13.2%、検討している人は25.4%であり、物価高が副収入を得る・検討する判断に影響したと答えた人もいました。
一方、ネット販売への前向きな回答は16.4%で、中立が38.8%と最も多くなっています。Amazonで継続的に販売している人は3.9%です。副業に関心があることと、ネット販売を無理なく継続できることの間には、採算・時間・商品選定という別の判断があります。
始める前には、売上目標だけでなく、費用を差し引いた後に残したい金額、使える時間、販売先のルールを整理しましょう。調査結果は行動を決める答えではなく、自分の条件を具体化するための出発点として活用するのが適切です。
よくある質問
物価高で家計への負担が増した人はどのくらいですか?
本調査の全回答者2,000人では73.0%です。「かなり増した」35.4%と「やや増した」37.6%を合わせた割合で、支出額や購買力が73.0%変化したことを示す数値ではありません(Q1)。
副業の月収はどのくらいですか?
現在副業をしている264人では、月5万円未満が67.0%でした。これは自己申告の収入区分で、費用控除後の利益かどうかは確認されていません。これから始める人の収入を予測する数字でもありません(Q5)。
Amazonで販売している人はどのくらいですか?
全回答者2,000人のうち、「現在、継続的に販売している」と答えた人は3.9%です。興味があること、アカウントを作成したこと、実際に継続販売していることは別の状態として集計されています(Q8)。
ネット販売を副業にする前に、最初に確認すべきことは何ですか?
販売価格だけでなく、仕入れ、手数料、送料・梱包費、返品対応、作業時間を一つの商品単位で整理することです。必要な許認可や販売先の規約、知的財産権についても、扱う商品と販売方法に合わせて確認してください。

